ビタミンKの欠乏・不足

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欠乏症

ビタミンKが不足しておこる欠乏症には、出血するとなかなか血が止まらなかったり、骨がもろくなる骨粗しょう症があります。

出血が止まらない

このケースでは、乳児とそれ以外の2つに分けられます。

1)乳児の場合

ビタミンKは、出血があったときに血を止める物質(プロトロンビン)を、合成する働きがあり、身体を保護しています。

ビタミンKは、食品から摂るだけでなく、腸内でも作られていますが、生まれてから1年以内の乳児では、腸の発達が未熟なため、ビタミンKが作られません。

このため、お母さんのお腹の中にいるときや、生まれてから1年以内にビタミンK不足になると、欠乏症が現れてきます。

具体的には、消化器官が出血して、黒っぽい便が出る新生時出血(新生時メレナ)や、頭蓋内(ずがいない)出血などがあります。

頭蓋内出血では、ビタミンKの注射によって、全治するケースもありますが、後遺症が残ったり、命が失われることもあるので、特に注意が必要です。

最近では、このような欠乏症がおきないように、生まれてから数日後、退院時、健診時などにビタミンK入りのシロップを、飲ませるのが普通になっています。

2)乳児以外の場合

生まれてから1年ほどたつと、腸内で1日あたり1.0〜1.5mgほどのビタミンKが作られるので、1才以降はビタミンKが、不足することは少なくなります。

しかし、何かの原因でビタミンKが不足すると、鼻血が出やすくなったり、内出血やケガで出血したときは、なかなか血が止まらなくなります。

また、肝臓病で胆汁の分泌が悪くなり、ビタミンKの吸収が低下した場合や、長期間、抗生物質を常用している場合は、腸内で作られるビタミンKが減るので、欠乏症がでてきます。

骨粗しょう症

ビタミンKは、骨にカルシウムを沈着させて、骨を丈夫にする働きがあります。しかし、ビタミンKが不足すると、カルシウムが骨に取り込まれず、骨が弱くなります。

そもそも、骨というのはコラーゲンをベースにして、それにカルシウムやマグネシウム、リンなどがしっかり結合(沈着)して、丈夫な骨になります。

このとき、コラーゲンとカルシウムを結びつけるのが、ビタミンKの働きで、不足すれば当然、骨が弱くなりそれが進行すると、骨粗しょう症になってしまいます。






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