ビタミンB1の欠乏・不足

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欠乏症

ビタミンB1の摂取不足による代表的な欠乏症は、脚気とウェルニッケ脳症があります。

脚気(かっけ)

脚気は、ビタミンB1の不足によって、糖質(ご飯、めん類、パンなどの炭水化物)を、エネルギーに変えることができずにおこる病気です。

いくら主食のご飯やめん類を、たくさん食べても、それを身体に必要なエネルギーに変えることができなければ、健康を維持することはできません。

脚気の症状には、疲労感、息切れ、動悸、むくみ、食欲不振、手足のしびれなどの欠乏症があります。
その症状からだけでは、脚気だと気付かないことも多いようです。

脚気は、軽症であれば、生命に関わることはありませんが、重症になると、心臓が肥大して、心不全をおこします。

最近は、冷凍食品やインスタント食品などの、糖質を多く含む食品から、栄養を摂取する人が多くなっています。

この糖質を、エネルギーに変えるときに必要になるのが、ビタミンB1ですから、症状に心あたりのある人は、不足しないように気をつけたいものです。

ウェルニッケ脳症

ウェルニッケ脳症とは、歩行障害、眼球の運動まひ、意識障害、けいれんなどの症状が特徴で、悪化すると昏睡状態から死にいたります。

脚気の場合は、症状が進むと心不全になるのですが、ウェルニッケ脳症の場合は、中枢神経に関わる症状が主になっています。

ビタミンB1不足が原因のウェルニッケ脳症は、アルコールを飲みすぎる人が、かかりやすいといわれています。

また、慢性のアルコール依存症と、ウェルニッケ脳症を併発すると、
・物忘れがはげしい(記憶障害)
・架空の作り話(作話)
・周囲の状況や自分がいる場所、日付などがわからない
 (見当識 けんとうしき)

などの症状がでてくる「コルサコフ病」という病気に、なる可能性が高くなってきます。

コルサコフ病になったときは、禁酒やビタミンB1による治療で、ある程度回復しますが、完治するのはなかなか難しいといわれています。






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