ビタミンB1の働き・作用

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主な働きと作用

ビタミンB1は、私達が生きる上で必要不可欠な、エネルギーを作る働きと、神経機能や脳を正常に保つ働きがあります。

エネルギーを作る

体内でエネルギーに変わるのは、糖質(炭水化物)、脂質、たんぱく質の三大栄養素です。

ビタミンB1は、この中の糖質(炭水化物)を、エネルギーに変える働きをしています。

ご飯やめん類、パンなどの炭水化物は、肺から取り入れた酸素とアミノ酸が主成分の酵素、そして、ビタミンB1の働きによって、体内でエネルギーに変えられます。

このとき、ビタミンB1は、酵素と結合して酵素の働きを助けるため、補酵素とも呼ばれます。

体内で行われる代謝(化学変化)のほとんどは、酵素と補酵素が結合して初めて、エネルギーや身体に必要な物質が、できる仕組みになっています。

このため、補酵素であるビタミンB1が不足すると、エネルギーが不足して疲れやすくなります。

ちょうど自動車に、ガソリンが入っていても、上手く点火できないため、自動車が動かないのと同じことになります。

神経機能を正常に保つ

ビタミンB1には、エネルギーを作りだす働きと関係して、中枢神経や末梢神経を、正常に保つ働きがあります。

ビタミンB1は、神経細胞内に存在して、神経で使われるエネルギーを供給しています。

実は、中枢神経や末梢神経、脳などのエネルギー源は、糖質がただ1つのエネルギー源で、他のものでは代用できません。

このため、ビタミンB1が不足すると、イライラしたり精神が不安定になったりするなど、神経が正しく機能しなくなります。

よく、頭脳労働が多い人は、お菓子や甘いものを摂ると、脳にエネルギーが補給できると言われています。

これは、お菓子や甘いものに、糖質が多く含まれるからですが、この場合も、ビタミンB1を同時に補給しないと、せっかくの糖質もスムーズにエネルギーとして使えません。

ビタミンB1の不足が続くと、疲れやすくなるだけでなく、動悸、手足のしびれ、倦怠感などの症状がある脚気(かっけ)になったり、心不全を引きおこす場合もあります。

なお、アルツハイマー型の認知症には、ビタミンB1誘導体を大量に投与すると、症状が軽くなるという報告もあります。(1日あたり約100mg)






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