ナイアシンの欠乏・不足

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欠乏症

ナイアシン(ビタミンB群)が不足しておこる欠乏症で、よく知られているのがペラグラです。

ペラグラとは「荒れた皮膚」という意味で、トウモロコシを主食とする、中南米に多い欠乏症です。

トウモロコシには、ナイアシンの材料となる、トリプトファン(アミノ酸の一種)が少ない上、中南米の人は動物性たんぱく質の摂取も少ないため、ペラグラになるリスクが、高いといわれています。

また日本で、ペラグラになる人のほとんどが、アルコール依存症の人で、満足な食事を摂らないため、ナイアシンが不足してしまいます。

ペラグラは、ナイアシンの不足の程度や、症状の進行によって次の3つの症状に分けられます。

1.皮膚炎(Dermatitis)

皮膚炎は、直射日光に当たる皮膚の部分が発病します。まず、患部が熱を持って熱くなり、かゆみがでたり、水ぼうそうができます。その後、皮膚が硬くなって、全体的にひび割れが起こってきます。

2.下痢(Diarrhea)

まず、胃腸が弱ってきて食欲不振になり、その後、腹痛や吐き気がひんぱんに起こります。そして、便秘と下痢を交互に繰り返すようになり、症状が進むと、慢性的な下痢になってしまいます。

また下痢だけでなく、身体の粘膜が弱くなり、舌が赤くはれ上がったり、歯ぐきから出血したり、ただれたりする症状が起こることもあります。

3.認知症(Dementia)

ナイアシン(ビタミンB群)の欠乏が長期間続き、ペラグラが進行すると、不眠症や不安症があり、精神的にイライラしたりめまいや頭痛が起こってきます。

そのまま放置しておくと、幻覚や知覚障害がでてきて、最終的には、中枢神経の障害が起こって、認知症になってしまいます。

ペラグラの症状は、この3つの症状の頭文字をとって、3Dと呼ばれることもあります。

繰り返しになりますが、日本での一般的な食事で、ナイアシンが不足することはほとんどありません。

しかし、大量の飲酒や極端なダイエットを長く続けたり、インスタント食品ばかり食べていると、ペラグラのような欠乏症になることも十分考えられます。お酒もダイエットもほどほどにして、栄養のバランスを考えた食事を心がけましょう。






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